インタビュー / Phil Mison と Steve Terry / The Afternoon Sessions

Translation by Rami Suzuki

日本に移住する前、僕はロンドンのイーストエンドで毎週開催される集会に参加していた。土曜日の午後、Balearicマインドを持った人達がブリックレーンのCafe 1001に集まる。レジデントDJでもあったPhil Mison とSteve Terryがパーティを主催者し、いろんなゲストを招待していた。当時DJHistory.comにおけるダイアローグは頂点に達し、フォーラムメンバーだったみんなが、そのセッションで実際に顔を合わせる。本物の顔とアバターが繋がる場所だったから、名札をつけて参加しようと冗談を言ったくらいだ。

DJの巧みを披露し競い合った。競争心もあったけど、力を合わせてHarveyのSarcastic MixプレイリストやBaldelliのCosmic tapesを探したりもした。みんなオープンだった。ビールを片手に順番にプレイした。結果、僕のIbiza / White Isleについての知識は飛躍的に深まった。英語に訳されている以上に島の歴史を知り、The Shoomを堪能した。

午後のセッションのおかげで、DJHistory.comのオンライン上のコミュニティは本当の人の繋がりになり、みんながウェブサイトやラベルやパーティを独自に始めることができた。セッションは、当時の僕達にとって大切な酵素のような存在だった。Claremont 56 / Leng, Emotional Rescue / Response, Golf Channel, International Feel, Parkway, Music From Memoryなどの創造と成功の鍵にもなったと、僕は信じている。そして現代の“boutique” vinyl boomにも、大きく寄与したと思う。

Cafe 1001

二人の出会いは?

Phil: 2004年ごろ、毎水曜日ロンドンのSosho in Shoreditchでプレイしていたのだけど、ある夜Steveそれから彼の従兄弟のPaulと音楽の話を始めて。

Steve:10分も経たないうちに、ばかでかいサングリアのジョッキを注文したんだ。それが、パーティと僕達の始まりだ。

一緒にパーティを始めたのはいつ頃?

Phil: 当時、日曜日の午後はTrax Records(ロンドンのソーホーにある有名なBalearic音楽のレコード店)のOscarとパーティをしていた。OscarはWest HampsteadにあるCane Barを運営していたRyanの知人で、彼等と2002年から2003年頃、月次で日曜日の日中に”Just Landed Cosmic Kids”というパーティを始めた。Gerry Rooney、Balearic Mike、Joel Martin、DJ GarethなどのゲストDJをよんで。DJ GarethはTrax Recordsの顧客で、80年代Market Tavern やLove Muscle のレジデントでもあった。1982年にオープンしたGroove Recordsで働いた彼は、壮大な歴史を持ち合わせていた。Dennis ParkerのLike An Eagle をかけたり、当時のニューヨークのダンスができたり。Steveは、Soshoで出合ってから、こういう僕のパーティに参加してくれていた。Ryanが新たな道に進むので、これらのパーティを止めることにした。

Steve: 出会ってから1年ぐらいかな。2005年の三月、僕達にとって最初のパーティを開いた。その前にも一緒に活動はしていた。London Loftのパーティとか、一月にはAdeのおかげもあってPlastic Peopleで僕のバースディパーティを開催した。コンガダンスがPlastic Peopleのダンスフロアで目撃されたのは、その時が初めてだと思う。僕、エセックス出身だからね!二月にはMancuso Loftのアニバーサリーで一緒にニューヨークを満喫して、ダンスフロアでMark Sevenにも会うことができた。Harveyが月曜日にDeep Spaceでプレイしていたし、あの週は凄かったよ。

Big Chill Bar_2

午後のセッションを思いついたきっかけは?

Phil: 二人でニューヨークに行ってMark Sevenに会い、サンディエゴではCandelas でHugh Hererra (今はPacific Beach Vinylのhead honcho)とDJした。Mark SevenとHugh Hererraが2005年の四月にロンドンに来ることになり、SteveがCafe 1001で午後のパーティを企画した。音楽の観点から、その日は本当に素晴らしかった。Hugh HererraはBoney M`s Boonoonoonus,、Mark SevenはGuy Cuevasの Ebony Game や Louisの Pink Footpathをかけた。

Steve: 正直、思いつきだった。木曜日の夜、ブリックレーンを曲がったところにあるCafe 1001でレコードをかけていたら、Philが「Hugh Hererraがロンドンに来る」って言うから、Mark Sevenにも電話して誘った。土曜日の午後会場を予約した。当時Slow Blowミックスは人気だったから、パーティは大成功。だから、もう一度することになった。

Phil: 同じようなマインドを持った人々が集まって、素晴らしい音楽を聴きながらドリンクを楽しむ。あの午後は、そんなチャンスだった。

DJHistory.comのウェブサイトとは、正式に提携を?

Steve: DJHとの提携は特に無かった。当時みんな仮名を使ってDJHに参加していたから、午後のセッションで始めて実際に顔を合わせた。Belen Thomas, Chuggy, Woodenhorse Provocateur, Sad Robとか。午後のセッションは、DJHメンバーのクラブハウスみたいだった。仮名と本物の人物の顔を繋げるのは、とっても面白かった。

Phil: 当時はソシアルメディアと呼べるものもなかった。パーティはDJHのイベントページに投稿していた。来てくれる殆どの人がこのフォーラムでかなり活動していたら、 DJHでLinda Di FrancoやMike Francisみたいな人達と会話していたことが発覚するのは楽しかった。

レジデントDJとしての経験は?

Steve: Philは正式なレジデントだった。でも僕達は二人とも最初の数時間プレイしたら、あとはゲストに任せていた。誰かがマンチェスターに帰る電車に乗らなくてはいけない、その時には、どちらかがまたプレイした。

セッションの開始時間と終了時間は?二次会なども?

Phil: 午後1時ぐらいに始めて、午後8時には終えてた。

Steve: 午後2時までは、だれも来なかった。

Phil: 最初の1時間が大好きだった。とくにBig Chill Bar。コーヒーを飲みながら、音楽の準備をする。みんなが到着するまでの自分の時間。Cafe 1001 と Big Chillでは、午後8時からは夜のDJが予定されていたから、それまでには終了しなくてはいけなかった。みんなセッションの最後には酔っ払っていたから、ブリックレーンでカレー食べた。のんびり。

Steve: たまにその後、Voicesのイブニングパーティに向かったりした。

どのくらい午後のセッションは続けた?

Steve: 2005年から2010年まで。

Phil: 2006年に道を挟んだお向かいのThe Big Chillバーに移って、週の半ばはそこでプレイしていた。

Steve: 最後の2回はClerkenwellのThe Three Kingsで開催した。地元の友達の店で何度か行ったことがあった。午後のセッションに合っている思った。オーナーのDekeはとてもいい奴で興味を持ってくれた。

Phil: 5年間続けて、ある日もういいなと感じた。The KingsのDekeと会えたことが実りだった。その後もあそこでは何度かDJをした。ドリンクも1-2杯。

ゲストは誰を?

Steve: 振返ってみると良いリスト。Mark Seven, Hugh Herrera, Balearic Mike, Moonboots, Oscar Trax, Gerry Rooney, Joel Martin, Danny Rampling, DJ Gareth, Paul Murphy, Jolyon Green.

Phil: Severino, DJ Alex, Mixmaster Morris, Pete Herbert, Joel Martin, Peter Visti, Nathan Gregory Wilkins, Spencer James, DJ Sergio, Kenneth Bager…素晴らしい人達が素晴らしい音楽をプレイしてくれた。皆の名前をT-シャツの後ろにプリントしたことがあったから、探して確認したい。

Danny Rampling Phil Mison

DJ Alex Big Chill Bar

Mark Seven Cafe 1001

特に思い出深いセッションは?そのときの様子など。

Phil: 沢山ある。特に思い出深いのはDJ Garethが2006年に開いてくれた僕の誕生会。Amy Winehouseが来るって言われた。実際はGareth自身がカツラ被ってメイクしたのだけど、Altered ImagesのHappy birthdayがかかってAmyに仮装した彼が登場したとき、僕はちょうどバーの反対側で誰かと話していたから、全て見逃してしまった。その時のレコーディングは残っていて、ハッピーバースディとかが収録されている。とても楽しい午後だった。無垢というか。携帯に人生を操られる前の話だ。

Steve: 笑 楽しかった。最初の午後のセッションは、僕達をひとつにした瞬間だった。DJ Sergio (aka Balearic Geoff)が参加してくれた。PhilがIbizaの頃から彼を知っていて。Joseの良い友達だった。彼の口癖のひとつが、本当に興味深いものに対して「10点中10点」。僕がその頃見つけて夢中になっていた曲をかけて「これはどう?」って聞いたら、「あ~10点中6点」という答えが返ってきてガックリ。Philと僕で大笑いしたよ。Geoffが法を仕切っていた。

Steve Terry Big Chill Bar

特に午後のセッションの思い出として心に残っている曲は?Moon playing the Dubwieser`s How Soon Is Now, The Church`s To Be In Your Eyes, Ryuichi Sakamoto`s Amore, Axel Bauer`s Cargo, Monsoon`s Wings Of The Dawnとか印象に残っている。PhilがプレイしたCherry Lips and Raul Orellanaのcover of Entre Dos Aguas. Oscar dropping Marvin Gaye`s Funky Space Reincarnation, Roy Ayres` Africa Center Of The World, Smith & Mighty`s Give Me Your Love、それからKongas` Anikano-o の曲には、みんなが踊って歌ったね。

Steve: Balearic Mike がプレイした Tinseltown in the Rainは、僕にとって特別な曲になった。Moonboots の Bautista。Mark Sevenのパーティの立上は凄かった。当時誰も知らない素晴らしいトラックを連打した。勿論DJ GarethがスピンしたLike An Eagle、そのダンスはスペシャルだった。

Phil: Rob、君のためにリストを作ったよ。順番には特に意味は無い。

Lonnie Liston Smith – Give Peace A Chance

Fleetwood Mac – Keep On Going

Ronnie Jones – Captain Of Your Heart

Linda Law – All The Night

Cedar Walton – Girl With The Discotheque Eyes

Fragile State – Everyday A Story

Francis The Great – Look Up In The Sky

Sarah Vaughan – Mystery Of Man

Crazy P – You’ve Lost That Feeling

Femi Kuti – Sorry Sorry (Francois K Old School Afro Dub)

Stylistics – People Make The World Go Round

Francis Lai – Number One

Mason Williams – Classical Gas

Todd Terje- Glittertind

Byron – Too Much

Jan Hammer – Don’t You Know

Alain Delon – Comme Au Cinema

Christy Essien – Rumours

Cerrone – Music Of Life

Henry Torgue – Le Blues d’Angelie

Sonia Spence – Pure Love

St Tropez – Belle De Jour

Toni Esposito – Je Na

Juan Hoerni & Phil Sheeran — Ella (Larry Heard Remix)

Le Pamplemousse – Do You Have Any

Bombay Hotel – Between Leaves

同じような活動をまたしたい?

Steve: 家で聴く音楽って、みんなにとって大切だし、最近はひとつのジャンルになったと思う。SoundcloudとかNTSみたいなオンラインラジオでも、そんなミックスが山ほどある。Music from Memory, Melody as Truth, International Feel, Music for Dreams, Aficionadoなどのラベルが、この特定の音を形成した。同時に、聴くためのlistening style sessionsベニューも生まれた。ロンドンのSpiritland やBrilliant Corners、東京のレコードバー、ブティックフェスティバル、それからLoftに感化されたKlipschルネッサンスと思えるプライベートなスペースが世界中で始まっている。

Phil: Steveの言うとおり、そういう場所が今は多く存在する。午後にプレイするのは今でも大好きだけど、僕達の活動はあの時代に属していたと思う。

DJ Gareth Cafe 1001

Balearic Mike Cafe 1001_1

次に何を?

Steve: これまで書いた音楽やファッションの本をリリースするために、2011年にWild Life Archiveという出版社を起業した。これまでクラブで集めたものも使った(Steveは世界中でチラシやメモラビリアを集めた)。米国や英国で展覧間を開いた。最近ではバンクーバーBCのNew Forms Festivalでも展示した。

Phil: 僕の次のレギュラーは2013年ごろで、Red MarketのBalearicos。その話はまたの機会に。

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