Translation by Ken Hidaka
日本が世界に誇る、国内のクラブ・ミュージック界を代表するDJ/プロデューサーの一人、井上薫が、今週の土曜日、Bar Bonoboで8年開催している、長寿の一つであるレギュラー・パーティ、Lone Starの8周年を記念するアニバーサリー・パーティにスペシャル・ゲストDJとして招く。自身のレーベル、Seeds & Groundを運営し、Chari Chari、Aurora Acousticなどの名義で、幅広いスタイルの音楽、生音や電子音を融合する、独自のハイブレッドなプロダクションを精力的に出し続けている彼が、このパーティでLone Starの人気DJ、Max Essaとスペシャルにバック2バックのDJを行う前に、近況を語ってくれた。
あなたの故郷は何処ですか?
神奈川県相模原市。
何処で活動してますか?
東京を拠点に置いています。
DJ をやるようになってから何年経ちますか?
約28年。
DJ をやるようになったきっかけは何ですか?
私は、1989年ぐらいにクラブ・キングがオーガナイズしていた大規模のDJイヴェントで、ドライバー/ビールの売り子のアルバイトをしていました。その頃は学生で、ギターを弾いていて、ロック・バンドでプレイしていた。この手のイヴェントには多くのDJが参加していて、私は多くの異なる、新しいタイプの音楽と出会い、洗礼を受けました。特にアシッド・ジャズ/レア・グルーヴやハウスといったエレクトロニック・サウンドを聴かされた。これらの音楽は強烈だったので、音楽の大ファンであった私はかなり影響を受けました。あまりにも強かったので、バンドを辞め、DJになることを決心しました。
最初の出演は何処でしたか?
1990年の頃に二子玉川にあるDJバーで初めてプレイしました。
その頃にどんな音楽をプレイしていたのでしょうか?
アシッド・ジャズ、レア・グルーヴ、ブレイクビーツ、アフリカ音楽、カリビアン、ポスト・パンク/ニューウェーヴなどの曲をプレイしました。私がDJする時の、当時のテーマは“点を結ぶ”ことだった。
最近あなたはPost-Punk系のトラックの2曲をエディットしましたが、過去にPost-Punkをかけていたのですか? もしプレイしていたのであれば、どんな曲を選んでいましたか? このジャンルのお気に入りの曲を教えて下さい。
17歳の頃、私はハードコア・パンク・バンドでギターを弾いていました。それが私自身の音楽活動の出発点だと思います。
10代後半にはイギリスと日本のパンクが好きで、その頃聴いていたレコードは、今でも私の音楽テイストの基盤を形成しているかと思います。DJになったばかりの頃、クラブでパンクっぽい曲をかけるのは楽ではなかったが、以下の楽曲をなるべくプレイしようと試みていました。
23 Skidoo – F.U.G.I, Coup, Language, IY
Pig Bag – Hit The O Deck, Brazil Nuts
Rip Rig & Panic – You’re My Kind Of Climate
Maximum Joy – Stretch
Disconnection – Bali Hai
Quando Quango – Love Tempo
Brian Eno & David Byrne – The Jezebel Spirit
Fun Boy Three – Faith Hope and Charity
Malcolm Mclaren – Soweto, Song for Chango
Blue Rondo – Samba No Pe
a lot from A Certain Ratio
音楽を作るようになって何年ですか?
ロック・バンドのメンバーだった頃を数えたら、32年。エレクトロニック・ミュージックだけでしたら、27年間。
音楽を作るようになったきっかけを教えて下さい。
「サンプルをループすること」と「ブレイクビーツ」に強く影響を受けました。ハウスの初期のトラックを聴いていた時に聴こえてきた、シンセのリフやパッドに凄く影響を受けました。私は昔から何回も東南アジア、特にインドネシアに訪れたので、この地域の“エキゾチック”なサウンドは、私にとって、もう一つのインスピレーションの源でした。
音楽を始めた時、特に気に入っていた・影響を受けたアーティストは誰ですか?
ソウルIIソウルは特に影響を受けたグループでした。しかし、他のお気に入りのアーティストは、マーティン・デニーとジャワ島のガムラン。
音楽制作を行うのにどんな機材を使ってましたか?
AKAIのサンプラーとコルグのM-1。
今どんな機械を使っていますか?
2台のハードウェアのシンセ、ローランドのTR-8Sなど。楽曲のアレンジを行うのに、エイブルトン・ライヴとロジックを使っています。
どうやって Kenji Takimi と Crue-L Records と関係を手に入れたのですか。あなたの初期の作品や手がけたリミックスはCrue-L Recordsから出ています。Kenji Takimi と Crue-L Records とどのように知り合ったのでしょうか?
それは長い話です。経緯の一部を紹介しますと、私が10代の頃、彼がインテレジェント・ポスト・パンクの雑誌の編集者だった頃、彼のことを知りました。90年代の後半に彼と初めて会った時、私は彼と同じ歳だったことを分かり、驚きました。その後、良い友達になりました。
貴方はいつもアコースティックや伝統的な楽器を制作する時に起用しています。それにより、オーガニック/スピリチュアルな要素を自身の作品に注入しています。恐らく、それが意図的だと思います。貴方の音楽にはある種のメッセージが入れ混じっていますでしょうか?
音楽の中にメッセージが入っているのか、音楽自体がメッセージそのものなのか? 私は、「オーガニック」と「人工」、そして「伝統」と「コンテンポラリー」の融合が大好きです。その主な理由は一切ないです。もしメッセージがあるとしましたら、「調和」か「奥深さ」ではないかと思います。
最も誇りに思っている自身の作品/リミックスは何で しょうか?
Chari Chari名義のデビュー・アルバム『Spring to Summer』と最新作『Em Paz』。
定期的な出演または住まいは今ありますか。今、行なっているレギュラー・パーティや定期的に行なっているギグを教えてください。
中目黒のSolfaでForbidden Danceというレギュラー・パーティを1季節ごとに行っています。
今気に入っているパーティーをする場所は何処ですか?
House/Techno及びAmbientの両方のセットをプレイすることが出来るのでしょうか?
はい、両方しています。勿論、状況にもよりますが。私は色々な音楽のスタイルをプレイすることが大好きです。ハウスとテクノは、機能的な美しさと強さを表しているサウンドだと思います。人々が踊らせるための究極の音楽フォーマットです。私自身の音楽人生の絶対不可欠な要素として大好きだが、根本的に音楽は無限であることを常に意識しています。
あなたはChari Chari名義でライヴ演奏をしているのか、他の名義でも出演するのでしょうか?
これは私が今後取り組まなければならない課題の一つです。
私たちが聞けるかもしれないあなたが演奏する曲トップ5を教えてください。10月6日に我々が期待出来る、ボノボで貴方がプレイするかもしれない、自身の最近のトップ5を教えてください。
Alex Kassian – Hidden Tropics
Cosmic Garden – Lifetime
Traumer – Gonna Get
Tabala – Tabala Mouv (Aroop Roy Rework)
N’draman Blintch – Cosmic Sounds
貴方の2018年の残りのプランを教えて下さい。
ただ、ひたすら毎日音楽を作ることです。